パート7

京都の地図で右上。指し示されてもそこがどういう場所なのかはわからない。ただ今日これまで見てきた物件は地図の左側のほうを回っていたらしいということ。シュウガクインという響きが耳に残った。大学からは離れているけど自転車で毎日一時間かけて通っていた身にはその距離は気になることではなかった。不動産屋の車で移動する。父が助手席に、母とぼくは後部座席。ぼくは窓の外の雪を見ていた。父が不動産屋の人と世間話をしているうちに目的地の修学院に着いた。